製造工程と設備について
お客様の要望を満たすための綿密な企画立案からスタートし、専門的な設計と解析フェーズを経て、プロトタイプの制作、厳格な評価が行われます。
このプロセスには、多数の調整と改善が含まれ、最終的な製品化につながります。さらに、一貫した品質を保証し続けるための体系も確立しております。
01.シミュレーション
炭素繊維はその設計の柔軟性から多くの可能性を秘めた材料であり、複合材料特有の多様な設計要因を考慮する必要があります。
私たちは、専門的なシミュレーション技術を活用して、お客様のニーズに対応した、炭素繊維を最も効果的に活かせる最適な構造解決策をご提供することに尽力しております。
02.設計
基本となる構造案が決定した後、実現するために必要な構造材料の選択、積層の計画、そして図面の作成に移ります。
複合材料は、その性質上、金属とは異なる接着や接合の方法、特有の積層設計など独自の設計要素を持ち合わせております。
当社では、スポーツカーの設計で磨かれた深い知識を活かし、複合材料の利点を最大限に引き出す一体化された部品や中空構造のような革新的な構造設計を推進しております。
CADデータから加工軌跡を作成し、切削ロボットによるベースモデルの実切削加工を行っております。
03.型製作
優れた品質と精度を備えた製品を生み出すために、成形型の設計と製造は極めて重要です。
当社では、オートクレーブ製法の利点を完全に引き出す形での型設計は言うまでもなく、量産に向けて品質と生産効率の確保を目指し、適切な工法の選定から取り組んでおります。
04.成形加工
オートクレーブ製法では、CFRPのプリプレグ材料を設計に基づいて裁断し、型に積み重ねてからバック処理を施します。
その後、型と共にオートクレーブに入れ、高温高圧の環境下で樹脂の硬化を促進し、成形品を完成させます。この方法は、形状に対する自由度が高いという特徴があります。
当社では、カーボン素材の独自の特性を最大限に引き出し、上質な成形品の製造を実現しております。
自動裁断機
タカトリ製 有効裁断寸法2000mm×1000mm
積層作業
オートクレーブ
テクノモーター製 内部有効寸法 直径:1800mm×奥行:2500mm
最大仕様圧力 0.98Mpa
最大仕様温度 200℃
オートクレーブ成形
05.二次加工
型からはずした成形品は、穴あけ、トリム加工を行います。
金属に比べて加工が難しい複合材料ですが、当社の持つノウハウをもとにお客様のニーズに合わせた加工を行っております。
06.アッセンブリー
CFRP成形品は他の成形品や金属部材と組み合わせ、成形品として完成します。
当社ではスポーツカーで培ったノウハウを生かし、最適な方法を選択して接着、接合を行っております。
07.評価・試験
当社では、さまざまな評価設備を用いて、製品が設計された性能を確実に満たしているかを検証しております。
このプロセスを通じて、製品の品質と信頼性を保証することを重視しております。
08.塗装・表面処理
デザインの美しさを保ち、変形や変色を防ぐために、塗装や表面処理が不可欠です。
カーボンコンポジットの特性を活かした塗装や処理を施し、製品の質と見た目の美しさを高めてお客様に納品しております。
09.品質保証・検査
品質保証では、見た目だけでなく、先進の計測機器での形状分析や、X線、超音波を使用した非破壊検査など、お客様の要望に応じた多角的な評価を行います。
さらに、多岐にわたる品質管理体制を整え、製品の信頼性を徹底して保証しております。